映画「60歳のラブレター」 [映画]
2009年公開の邦画「60歳のラブレター」を観た。
旧住友信託銀行主催で2000年からの企画、長年連れ添った夫婦が口に出して言えない感謝の言葉を1枚のハガキに綴る実話を基にした3つエピソード。
中村雅俊と原田美枝子演じる建設会社専務夫婦は仮面夫婦を続けるも、60歳の定年を機に離婚。専業主婦だった元妻は家政婦として働き始める。
イッセー尾形と綾戸智恵演じる魚屋の夫婦は夫の糖尿病の治療の為に、毎夜夫婦でウォーキングをする。反発しながらも互いを思いやる下町育ちの夫と大阪のおばちゃん気質の妻。
井上順演じる医師は数年前に妻と死に別れ、小遣い稼ぎの英文の医療関係本翻訳手伝いで翻訳家で独身の戸田恵子と知り合う。互いに惹かれ合うが、娘の反対に遭う。
元は別々のカップルの内容だろうが、離婚した原田美枝子が夫の定年祝いに買いに行くのが近所の魚屋(イッセー尾形と綾戸智恵)だったり、離婚後、家政婦として行く先が料理出来ない戸田恵子の家だったり、という演出が加えられている。
離婚や病気や別れで気付く大事なものとは何か…
その幸せの真っ只中に居る時には気付かない、失って初めて気付く大切なもの…というのは人間のしょうがないサガなのか?と改めて感じた映画である。
戸田恵子演じる独身女性が相手の娘にダメ出しされ…「この歳で誰かを本気で好きになるって本当に大変で、奇跡のようなことなの。軽い気持ちで…というのは有り得ないのよ。あなたからお父さんを奪いたいくらいだけど…お父さんをあなたに返すわ」というセリフが身に染みた。
歳を取れば取るだけ、世間を知れば知るだけ、何かが怖くなる。チャレンジする勇気も薄らいでくる。
でもそれではいけない。何をしに生まれてきたのか?というと、少しでも挑戦するためなのでは無いのか?
昨日の映画「エターナル・サンシャイン」やドラマ「流星ワゴン」や映画「Back to the future」のように実際は、過去のやり直しは出来ない。常に未来に進んでいかなければならない。逆説的に映画が教えてくれているのである。
私たちは何の挑戦中なのだろうか?
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