SSブログ

農業で食べていけるのか? [社会]

先日、同じ大学のOBで会社を経営されておられる70代の先輩から「お前に会いたい!」と5年振りに連絡があった。

率直に言うと「農業を辞めてうちで働かないか?」とのことだった。「農業じゃぁ食べていかれんだろうし、嫁さんも来ないだろう!」と言われたが、丁重にお断りした。まぁ無理も無い、ソチ五輪に出る高橋大輔や町田と同じ大学のOBでありながら食べていくのに苦労しているんだから、救いの手を差し伸べてくださるのは有り難かった。

また別の日に高校の同級生に市役所でばったり会った。向こうは公務員として働いていた。「何しよるん?」と聞かれて「農業」と答えると・・・「農業で食べていくなんて聞いたことがないぞ!」とまで言われた。「まぁ食べていかれんから、夜は同級生のお店で働きよるんよ!」と答えた。まぁ無理もない、県内で有数の進学校だったからそんなエリート集団からすると農業という仕事があること自体有り得ないのだろう。

また別の日のこと。JAの直売所のお店の女性からも声を掛けられた。「農業だけで食べて行ってるんですか?」と。「それが理想ですが、今は食べていけてないから夜は別の場所で働いています!」と答えた。農業を主にするJAでさえ、そんな心配をしてくれる有様である。直売所に出荷するのはおじいちゃんおばあちゃんばかりだから私のような若い(笑)人が関わっているのが不思議なのだろう。

「百姓」という言葉がある。少し調べると元々中国から来た言葉で、百の姓と書くように中国では庶民(国民)を表していた。日本では「百姓」=「農家」となるが、昔の百姓は百の仕事をするという意味もあるらしい。まぁいろんな仕事をしないと食べていけない時代だったのだろう。百年前の祖父の時代の話を父から聞くが、米や野菜を作るだけでなく、牛や鶏を飼って売ったり、雨の日や夜は縄を編んで売ったり、山から竹や木や石を切って売ったり、爆薬も保管して売りさばいていたという。確かにレンガ作りの倉庫もあるし、石切り場もある。この百年で変わってしまったのだ。スーツを着て仕事をしていればお金がもらえる時代に。。。

何だか一連の好奇の目にさらされている自分を知り、俄然やる気が出てきた。意地でも(笑)「農業で食べていくぞ!」と。こちらには東京ドーム1個分の敷地があるのだ!それを活用しきれていないだけなのだ。映画「俺はまだ本気出してないだけ」のタイトルではないが(映画はまだ観ていない)、百年前までの数千年もの間、農業を主にして食べて生きていた時代のご先祖様のように本気を出して生きていくぞ!


nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感