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まさに骨抜きが功を奏す [社会]

音楽といっても、クラシックでは無く、バンドスタイルの音楽はドラム・ベース・ギター・ボーカルで構成されている。その屋台骨のひとつであるベース音が無いとまさしくスカスカになる。このベースを骨抜きにされるというのはベース経験者の私としては悲しい出来事である。それが現実に商業界で公然と行われたのだ。

27年前の1988年に発売されたメタリカという(全世界で総売上1億枚以上)ヘビーメタルバンドの4枚目のアルバム「...And Justice for All」がそれだ。1991年この彼らを東京ドームまで観に行ったのを思い出す。

And Justice for All

And Justice for All

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blackened Recordings
  • 発売日: 2013/09/10
  • メディア: CD


「ベースの音を下げてよ!」と実質リーダーのドラマーに言われてミキシングが行われたという記事だが…

当時の噂として広まったのはこうだった。

3枚目のアルバム「Master of Puppets」で彼らは一世を風靡する。その矢先、ツアーバスの事故で伝説の指弾きベーシスト:クリフ・バートンが亡くなる。ピック弾きのベーシスト:ジェイソンを加入させるが、前任者のような「ベースは指弾き」という偏見と前任者への敬意から新任者加入後のニューアルバムではベース音をカットしたという…。まぁそれだけ、クリフ・バートンが凄かったということらしい。

生前時の演奏はこんな感じである→

https://www.youtube.com/watch?v=j1Y04V9ZOhI

まさに超絶テクで変態プレーな感じで新任者には真似出来そうにない。

27年経ってもミキサーのせいにされて真相がうやむやなのは、彼らが勝者であるからではないだろうか?

いつの時代も歴史は勝者が書き換えるのである。

クリフ・バートンはベーシストだけではなく作曲者としても素晴らしかった。次の曲はクリフ作曲のインスト曲「Orion」https://www.youtube.com/watch?v=Z6j63ImEKyo 

未だにライブでは演奏している模様(去年ライブDVDを鑑賞した)。

メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー [DVD]

メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

皮肉にもベースを骨抜きにしたアルバムが大ヒット、収録曲「One」のビデオクリップでは、映画「ジョニーは戦争へ行った」を引用して、反社会的なバンドイメージを増幅させる。映像はこちら→

 https://www.youtube.com/watch?v=WM8bTdBs-cw

3枚目アルバム「Master of Puppets」直訳すると「操り人形の主」であるし、ジャケットも意味深である。ベトナム戦争を批判した内容だということで当時我々の間で話題になった。

Master of Puppets

Master of Puppets

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blackened Recordings
  • 発売日: 2013/09/10
  • メディア: CD


その後、暗黒の90年代を先駆けたというブラックアルバムも話題に。

Metallica

Metallica

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Blackened Recordings
  • 発売日: 2013/09/24
  • メディア: CD



 

兎に角話題作りに事欠かないバンドである。数々のバンドが消えて行く中で未だに生き残っているのも、先見の明があったのは間違いない。我々に大事なのはベース音がどうのこうのでは無く、先を見通す眼力と何と言われようともやり通す実践力かもしれない…。

恐るべしメタリカ!http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%AB



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