夏の思い出の立役者 [社会]
私が小さい頃の夏休み、近くの公園で夏祭りが毎年あった。
住民たちが参加するカラオケ大会がメインだった。主婦の人たちがカレーやおつまみやジュースを販売する。ただ、それだけ・・・。出店がたくさんある訳でもなく、金魚すくいがあるくらい。
地域の自治会が手作りでやる夏祭りだった。
そんな小さなお祭りも私の中の記憶では「楽しかったなぁ・・・」という大切な思い出だ。
そんな小さなイベントも実行するのは大変で、今はもう夏祭りは行われていない。
お祭りのカラオケ大会でずっと司会をしてきたのが、自治会長のおじさんだった。ユーモアたっぷりで気さくなおじさんだ。その人が居なかったら夏祭りも無かったと言われるほど、尽力されたらしい。
そのおじさんが夜、病院に運ばれてその日の内に亡くなったのだとか。倒れる当日もボランティアで小学生の通学路で立哨(りっしょう)で立って子供たちを見守っておられたらしい。
自治会から葬儀用のバスが2台出たらしい。自治会の人が亡くなって、バスが出ること自体が初めてなのに、2台も出るとは・・・それだけ人望があったのだろう。
他人のために生きることも今世の大切な使命なのだろう。そんなことを小学生の頃の夏祭りを思い出しながら感じた。
私たちのキラキラした夏の思い出を作ってくれて、ありがとうございました。肉体を持っての今世のお役目お疲れさまでした。あの世でゆっくりお休み下さい。ご冥福をお祈りいたします。