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稲刈りについて議論 [社会]

我が家の稲刈り始まった。

といっても、兄弟義理姉妹(4人)が手伝う訳でもなく、未だに私一人で行っている。去年までは70代の老夫婦も現役を貫いていたが、「もう出来ない!」という宣言を言い出したので「俺一人でやる!」と逆宣言をし、私一人でやることとなった。

最近の稲刈りは「コンバイン」(稲刈り+脱穀)というセットが主流で我が家のように①稲刈り②竹組み③ハゼ干し④脱穀という2工程多い。この2工程がどれだけ無駄かという議論になった。干すというのは乾燥させるという意味だが、約1週間干すが今回のように刈った直後に大雨、台風襲来もある、もしも奇跡的に1週間雨が無かったとしても、朝露に濡れて日中の天日、そして次の朝の朝露に濡れる(ここで、アルフィーの「メリーアン」を思い出す)。台風なんか来ようものなら、風の煽りを受けて、ハゼ干ししたものが一部倒れる。それを再度やり直す、もしくは台風襲来前にワラを倉庫に一旦非難。・・・といった災難が想定されるのである。何もなければラッキー的な運に頼るのだ。この集落で天日干しをしているのは我が家だけである。

その理由を聞くと・・・①「天日干しの米が美味しい」と信じている。②「乾燥させるのにお金がかかる」③「コンバインを買うのにお金が掛かる」④仮に乾燥に出したとして帰ってきたのはうちの米では無い。ということがわかった。

検証まずは①・・・比較したことは無いらしい。ということは幻想かもしれない。※私の持論、文明開化前は乾燥技術も無いからこの方法しか無かった。周囲の農家はコンバインを導入済。それを旧態依然でやっているうちはコンバインを買うお金が無いと思われているだけなのでは?

検証②乾燥させるのにお金が掛かるのは事実。でも今現在、私たちのような小規模農家がお米を作っている時点で肥料代や固定資産税や耕すガソリン代で既に赤字。周囲は耕作放棄地多数。何故やっているのか?を聞くと・・・「米を一度やめるともう出来なくなる。」「代々やってきた先祖に申し訳ない」とのこと。うちの家は菅原道真が大宰府に左遷される際に暴風雨に遭い「おもてなし」をしたことから約1100年の歴史があるそうだ。その頃から米作りをしていたとしたら、確かにこの代で止めるのは心苦しい。(かといって、この議論は米作りを止める止めないではなく、私の代(私現在46歳だから親の限界という74歳までのあと28年間はやるつもりだ!・・・といっても母の兄は91歳で現役米作り農家で尊敬に値する。ということはあと45年間は米作り出来るということか?でも伴侶が離婚で既に居ない私にとっては無理なのか?いやそのおじさんも伴侶を亡くしてからも現役でがんばっておられる。ということは私の言い訳は91歳までは通用しないので!笑!涙!(先日も農薬散布:残念なんがら無農薬ではありません。③農薬バンバン→②減農薬→①低農薬の①ではありますが、農薬散布をしました。カメムシやバッタや蝶を殺すために・・・散布しながら私は絶対に地獄に行くと思った。それでなくとも日頃の行いが悪い為絶対に地獄に行くと覚悟しているのだが。話は横道にそれたが、そのおじさんも私たちが行う農薬散布を行ったのだとか。この農薬散布というのがものすごい重労働(数キロの農薬を背負って、ぬかるみを炎天下の中歩く)で約1時間で死ぬか!と思う程の例えだが、そのおじさんも死を覚悟してでもも(していないと思うけど)息子や孫のための米作りを守る姿勢を想像しただけで、恐れ入ります。私より年上の人が農家をしているだけが尊敬に値します!何のために米や野菜を作るのか!って話になりますから・・・)

③お米の乾燥を委託させるのにお金がいる。

天日干しはただ。この発想なら私は嫌だが、天日干しの方が機械乾燥より美味しい。これは大いにやる気が出て大歓迎だ。7軒にいつも年間契約分を買っていただくのだが、「天日干しだから美味しい」と1軒だけには言われるには確かだ。これはおべんちゃらなのでは?といつも思う。実は自分で食べ比べたことがないから。でもそれが真実ならこの農法を守るのもあり!かな?乾燥させるお金をケチっている訳ではなさそうだ。来年からお金掛かってもいいから乾燥させようか?と両親が議論し始めているから・・・。 

④これが一番重要で・・・知らない農家もある程。

コンバインで乾燥に委託でJAに出した場合、戻って来たお米はうちのお米ではない。

考えてください。大規模な乾燥工場で・・・1袋30キロのやっと収穫できたお米を「乾燥して下さい!」と出したとしよう。乾燥工場は大規模な施設で運営している。30キロ単位で乾燥させている訳ではない。あちこちから持ち運ばれたお米を一箇所に入れて、乾燥させる。そして還元(農家に戻す場合)はどこのだれべえ!お米一粒一粒に書いてある訳でないので、当初依頼のあった30キロを配布するだけの話である。こんな話を農家にすると・・・「知らなかった!」と自分のお米が戻って来ていると信じている農家もあるぐらいだ。

例えば、手塩にかけた息子や娘が帰ってきたら別人だった。こんなのは嫌だ。国産米と思って買ったけど、実は海外産だったというショックは意外と大きいかもしれない。

うちの親がどのレベルで天日干しにこだわっているのは未だに不明だ。私の代になれば新たな手法で米作りをしようと思っている。赤字だから米作りを止めるとも思っていない。黒字で米作りが可能だからだ。でも今の親の考え方では無理だ。50年間の彼らの米作りに口出すことは世代交代していない限りできない。でもこれは親が居ないのが前提(というよりも全ても於いて私の新しい米作りのやり方を批判するのだから、親を殺すようなことは出来ない。)だから口にするのもご法度であるだ。 


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