ドラマ「震度0」 [ドラマ]
2008年WOWWOW製作の横山秀夫原作サスペンスドラマ「震度0」を観た。
主演は上川隆也。国村準が重厚な役でさすが存在感がある。
映画「64(ロクヨン)」で警察組織の内部隠蔽工作や国家公務員としてのキャリア組と地方公務員のノンキャリア組との確執が描かれるが、これもその話。ロクヨンの世界にハマッた人にはオススメの一級品のサスペンスである。
舞台は1995年1月17日。関西地方では震度6の阪神大震災が起こった当日、遠く離れたある県警で、県警トップ6人の間では激震が走る。トップ7人の内の一人が失踪したのである。
横山秀夫ワールド炸裂である。一人の失踪その1点に複雑な世界が非常に入り組んで展開する。頭をフル回転させないと付いていけない。でも考えたら、人間関係ってそんなものだ。人間関係というものを観るものに(これでも)分かりやすく解説してくれているのかもしれない。色欲、出世欲、名誉欲、金銭欲・・・
WOWWOWという有料チャンネルが作るドラマというのは「質が高い」と聞いたことがあるが、まさにその通りである。
映画と同じく有料で観る者からお金をもらう訳だから、無料で観れるテレビドラマと一線を画す。スポンサー(広告主)に配慮した作りやスポンサーに配慮した配役や視聴率の上がる内容など関係ないから、俳優や脚本など実力で勝負といったところを見せつけられた。
このドラマでは「良心が痛む」もの、「良心をも隠そうとする」もののグループが対比して描かれ、「さぁ、あなたはどっちの生き方を選ぶ?」と突きつけられているかのようだった。
世の中真実は一つだが、「良心」と「欲」がせめぎあって闘っているのだろう・・・。