交通事故の現状 [社会]
免許の更新に行ってきた。過去5年以内に違反がある為、ゴールド免許は未だお預けで、60分の一般運転者講習を受けた。バイキングの小峠氏に似た60代の教官の話が興味深かった。
出来たての資料を基にお話が進んでいくのだが、独自に勉強された様々な科学的見解を基に具体例を話していかれる。
興味深いというのは、「人間の脳が勝手に過去の記憶や想像をもとに視ていると錯覚させている」とのこと。これは私も聞いたことがある。最近の科学の研究では人間が見ているものの半分は脳の想像や過去の記憶であり、半分しか目の前の現象を見ていないということを。確かによくあることだ。目の前にあるのに「無い!ない!」と大騒ぎしているから、第三者が「ここにあるじゃん!」と言うと・・・「本当だ!」ということが。
死亡事故を起こした人のほとんどが「視ていた」というのだとか。視ていたら→判断して→行動を起こす。前は向いて視ているようで、視ていないのだ。
資料では平成28年の全国死亡者数は昭和24年以来の3,000人台になった。という事実が書かれているが、教官は「喜べないんですよ!」・・・と。(正確には3,904人)
まずは、これは事故後24時間以内に亡くなった人の数であり、事故後30日以内の死亡者数は600人ぐらい増えるのだとか。
次に、過去最高の死亡者数は1970年(奇しくも私が生まれた年)の16,000人。そのピークから比べて1/4になっているが、負傷者数は70万人から60万人と1/4になっていない。そもそもこの負傷者事故を起こしてはならないのだ!というお話であった。
最後に死亡事故の多い時間帯は18時~22時の日没後。ここでも資料に無い興味深いお話。人間の脳が明るい時と暗い時の視界に切り替わるのに30分程度かかるのだとか。故にこの時間帯が多い。有り得る・・・視ているようで視えていない。いつも通っているからという慢心した気持ちで過去の映像が脳に見せているだけなのだろう。
講習を待っている間、先日あったお隣の街での死亡事故の現状のポスターを読んだ。軽自動車に乗っていた家族四人の内、運転していたご主人はエアバックに守られて生き残ったが、奥さんと幼い子供二人は即死。写真を見ると運転席はエアバックで残っていたが後部座席はペチャンコで2シーターの車にしか見えないほど。孫と娘を亡くしたおじいちゃんの手記があった。相手の運転手を殺してやりたいほど・・・とあった。
加害者にも被害者にもなりたくない。しっかり視て(脳にだまされずに)目の前の現実と向き合いましょう!
【全国の交通事故による(事故後24時間以内)死者数】(平成28年)ご冥福をお祈りいたします。
- 北海道 158人
- 青森 53人
- 秋田 54人
- 岩手 73人
- 山形 28人
- 宮城 71人
- 福島 90人
- 群馬 62人
- 栃木 76人
- 茨城 150人
- 埼玉 151人
- 東京 159人
- 千葉 185人
- 神奈川 140人
- 新潟 107人
- 長野 121人
- 山梨 35人
- 静岡 137人
- 富山 60人
- 石川 48人
- 福井 51人
- 岐阜 90人
- 愛知 212人
- 滋賀 53人
- 三重 100人
- 京都 60人
- 大阪 161人
- 奈良 47人
- 和歌山 40人
- 兵庫 152人
- 岡山 79人
- 鳥取 17人
- 島根 28人
- 広島 86人
- 山口 64人(人口比ワースト14位)
- 香川 61人
- 徳島 49人
- 愛媛 77人
- 高知 42人
- 福岡 143人
- 大分 42人
- 佐賀 35人
- 長崎 41人
- 熊本 67人
- 宮崎 45人
- 鹿児島 65人
- 沖縄 39人