映画「海よりもまだ深く」 [映画]
第69回カンヌ国際映画祭 「ある視点」部門出品作品 「海よりもまだ深く」を観た。
「夢見た未来とちがう今を生きる、元家族の物語」とキャッチコピーにはある。
先月、母がこの映画を観に行き、「まるで、あんたを見るようだった!」と言ったのが観るきっかけ・・・。
というのも、主人公の阿部寛はバツイチで、野球をやる息子を陰で応援しているが、売れない小説家で探偵事務所でアルバイト。美人の元奥さん(真木よう子)には新しい恋人がおり、探偵業を生かして調査済み。そんな元家族が、ひょんなことから息子が好きなおばあちゃん(樹木希林)の団地で過ごす台風接近の一夜での物語。
前回の「あん」と同様に、まさに「ある視点」という意味では面白かった。
監督の是枝裕和作品は「海街diary」「そして父になる」もそうだったが、淡々と流れていく日常の中で結構複雑な問題(腹違い姉妹、子供の取り違え)を扱っている。今回は、離婚はしたけど、新しい未来に進もうとする元家族とその周辺。
やっぱり、「子はかすがい」である。離婚しようとも、子供とは繋がっているものだ。今のご時世離婚も珍しくない。子供が居なければ離婚は楽なのだろうが、子供が居れば離婚は一生尾を引くような・・・経験上そんな氣がする。
「女は水彩画じゃなく油絵」という視点が面白かった。
過去の男をデータ消去して上書きするのでは無く、油絵のように上塗りして、元の絵は見えなくなるけど、心の中にはずっとある・・・。
この脚本は男性である是枝監督自身のようだが、女心が本当にそうなのか?は女性に聞いてみないと分からないが「ある視点」という意味でも面白い。
終わり方もいろいろと考えさせられるが、日本映画ってやっぱり「深い」なぁ・・・。
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