筍(たけのこ)の目利き [社会]
筍(たけのこ)が雨後の竹というように雨の後はニョキニョキとどんどん生えてくるので掘っては出荷している。
でも掘るのは1日1時間が限度である。それだけ重労働なのである。次の日は筋肉痛のため筍堀りは一日お休み。それでも自然は待ってくれない。どんどん生えてくるので大きいと固くなるので味も落ちるから旬な時を逃してはいけない。今、気付いたのだが、竹へんに旬と書いて竹の子なんだね!
いつも出荷する直売所に有名な80代のおじいさんがいる。いつも売場にいて自分の出荷したものを買ってもらおうとお客さんにうんちくやら目利きのようなことをしている。でもよく見ると明らかに筍でも黒くて固いような自分の出荷品をすすめている。歳をとっても我良しな人は変わらないんだなぁと思ってみていると対岸の売場で「誰があの人の物を買うかいね(買わないよ)!」「買う人はあの人の宣伝料を払っているのよ!」と主婦同士が話しをしている。知っている人は知っているのだ。何だか世の中というものを甲斐間見た気がした。TVCMや新聞広告、折り込みチラシの宣伝代を消費者が負担しているのだ!
そんなことを感じながら、次の直売所に筍を持って行った。
その売場も筍だらけ(まさに旬なのであるが)で、売場に並べていると・・・お客さんから「お兄さんどの筍が美味しいの?」と聞かれた。
「そうですねぇ・・・これなんかやわらかくて美味しいですよ!」と私以外の物の中で一番いいものを勧めた。
「どうしてわかるの?」と聞かれたのでポイントを伝えた。
- てっぺんの芽の部分が黄色いのがメス、緑がオス。人間と同じでメスの方がやわらかい。(ご主人と一緒でオスの方が固いんですよ!と言えばウケたかな?と後で思った。)
- 皮が黒いのは土から出ていた部分なので旬ではない。白子と黒子があり白子の方がやわらかい。
- 大きくても皮に土が付いていたら土の中にさっきまでいた証拠なのでやわらかい。
- 底の切り口もみずみずしい方が新鮮な証拠。
- 皮をむいたら食べる部分は当然小さいので持ち運びが苦で無ければ大きい方を選んだ方がいいですよ!
とまぁこんな感じで掘る側の立場からわかることと、親から教えてもらったことを含めて自分の知っていることを伝えた。
「掘る時にオスとメスが仲良く生えている場合があるんですよ!」と。
「へぇたけのこにもオスとメスがあるのね!」と納得して買って行かれた。
すると「私も選んで!」とか「これを買おうと思うけどどう?」とか人だかりが出来た。
内心は自分のを売りたいんだけど、さっきの80代のおじいさんのようには成りたくは無いので、敢えて人のを勧めた。
人の振り見て我が振り直せ!ということわざは大事だなぁ。。。
これで自分のが売れ残ったら単なるお人好しで終わる一日だが、知らないことを人に教えてあげるのって結構快感であったから、まぁいいっかな。。。
世の中オスとメスで成り立っている。
Facebook コメント