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開催趣意書 [社会]

一昨年、父が亡くなり、父の後を継いで地元神社の総代という世話役を引き継いだ。
総代の使命は、定例行事(年3回)を斎行すること、築319年の神社という社殿の保存に務めることである。
901年に大宰府に海路左遷される菅原道真公の御一行が暴風雨に遭いこの地で避難されてから1121年という長い歴史がある。
社殿の保存と言っても、今回瓦が数ヶ所剥がれ落ち、修理に約10万円。かと言って潤沢な資金がある訳では無い。お賽銭額は年間約3万円。保存費用をどう賄うのか?それは地元住民の寄付しかないのだ。
12年に一度の大きなお祭りを通じて、これから先の整備資金を集める事が総代の仕事でもある。12年前まではお祭りをする度に多額の寄付が集まっていた様子だが、その信仰心篤き年配者たちもあの世にお逝きになられている。
ここで、地元300世帯に向けて開催趣意書(兼寄付のお願い書)を代替わりとなった今年、新たに作成した。
1戸あたり千円でも30万円。
神社存続を放棄するべきでは?という過激な意見も頂戴するが、目に見えるものしか信じない現代人の落とし穴のような氣がしてならない。
私の父も生前「菅原道真様が守ってくれるお陰」というのをよく耳にした。暴風雨を避ける為、数日間この地で過ごされ・・・私が筑紫の地で果てようとも「居て守る」と残されたことにより、この地を「居守(いもり)」と呼ぶ。
さあ、この文章がそろそろ個別配布されるがご寄付が集まるだろうか?
居守天満宮 寅開帳祭 趣意書
居守天満宮は、和歌など日本独自の国風文化を創り、学問の神様として称される菅原道真公を御祭神として祀る崇敬厚きお社です。
また当本殿は、菅原道真公没後八百年祭にあたる元禄16年(1703年)に徳山藩三代毛利元次の命により建立され、その後も戦災や自然災害からも免れ、319年余の長い歴史と伝統を受け継いでおります。そして寅開帳祭は、居守神社を天満宮に改称された由緒を廻し、菅原道真公の化身とされる石像が発見された寅年にちなみ、12年毎の寅年に神像が収められている厨子の御扉を開く大祭行事です。
この節目の令和4年寅年5月1日に、当社殿におきまして、世情厳しき折柄、疫病退散・無病息災・万民安寧を祈念すべく寅開帳祭を斎行させていただく運びとなりました。この御開帳祭が地区住民の手によって麗しく行われますこと皆々様方の御協力と御支援を切にお願い申し上げます。
つきましては、誠に恐縮ではございますが趣意ご賢察賜りまして何卒ご理解の上ご奉賛並びにご参加賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和4年(2022年) 壬寅年(みずえのとら) 吉日

延喜元年(西暦901年)醍醐天皇の右大臣菅原道真公が藤原時平の讒奏(ざんそう:道真を陥れる為にに有りもしない事を天皇に告げる事)により大宰府に左遷され、海路九州へ下る途中、暴風に遭遇され避難をされたのがこの海岸でした。一漁夫がお迎えをしましたが、敷物が無く、舟の網を持ち寄り円座を作り、その境遇に同情し一行を心から親切にお世話したところから、網敷(あみしき)天神とも呼ぶようになったと言われています。
道真公は、西の山に滝あり(松滝)、浦あり(桜浦)、沖の干潟あり(梅ケ実)、磯が尻など風光明媚な景観を眺められ、数日後再び船出の際、名残惜しみて「我筑紫には身は隠れるとも魂は居たり守らん」と約せ給いしより、この地は「居守(いもり)」と名付けられました。
承保元年(西暦1074年)寅年、磯の崎にて石像「神像」が出現し、この浦に住む山伏の夢の中に「吾は菅神なり、神魂石像となりて久しく地中に居す。ここに祭るに於いては、一天泰平、五穀成就、万民安穏を得せしむべし」と告げられ、祠を造り、篤く礼拝し子孫へとお祀りを継承してきました。
歳月は流れて元禄16年(西暦1703年)徳山藩三代毛利元次公が、この故事を聞き感動され、道真公の八百年祭にこの地にお社を建立して、遺徳を顕彰されたのが現在の居守天満宮の始まりで、誠に由緒ある神社であります。
「神像」寅年出現の由来をとり、廻る寅年毎お祭りをし、今に至るまで「御開帳祭」が斎行されています。爾来約三百年に至り郷土の鎮守神として地区住民の崇敬の念が厚く、この神社信仰により、火災病難不祥をのがれ、家内安全諸願成就、その霊験あらたかなる神社として大きな役割を果たしてきました。
古くから地区住民の心の拠り所として仰いできた由緒ある居守天満宮をこれからも皆様方のご理解とご協力により、私たちの偉大な先祖の遺徳顕彰の機運醸成に、また長い歴史と伝統のある「寅開帳祭」を次の世代に残すためにも、何とぞ御賛同御協力の程よろしくお願い申し上げます。
戸別に配られるお祭りのパンフレット裏面には由来も掲載されるが、郷土史料を読み解き、祖父・父の代からの紹介文も一新した!のでご参考まで。このパンフレットは地域の神社・コミュニティセンター・小学校・保育園で掲示も依頼。当日は巫女の舞や神楽団も招待しているので昔ながらのお祭りが見られるので、是非子供たちに観てもらいたい。寄付うんぬんは二の次でもある。
寅開帳祭.jpg

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