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幸せの鳥~コウノトリ [地球高温化]

 昔は子供から「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」という質問には「コウノトリが運んでくるのよ」と教えていた。幸(コウ)の鳥と書くこともできるからだろう。なんともウィットな(機知に富む)表現ではないか。

 しかし、コウノトリは戦後の高度経済成長と共に日本では絶滅した。

 ①材木としての杉などの木の伐採(高い木のてっぺんに巣を作るらしい)
 ②農薬散布により田んぼや川からエサとしてのフナやドジョウ、カエルが消えたこと
が大きな理由らしい。

 今現在、兵庫県豊岡市で(空港もコウノトリ空港と言うらしい)人工飼育による外国産コウノトリの繁殖、そしていよいよ野生に返しての自然繁殖の実験を行っているらしい。人工で育ったコウノトリはエサも自動的にもらえるため、なかなか離れないらしい。また離れても農薬が使われているため自然のエサが少ないのも原因らしい。また、自然の木での巣作りもした経験がないため、高圧電線の柱に巣を作り結局ふ化には失敗したらしい。人間でもそうだが、あまり過保護はよくないのだろうか。

 地域の農家も数年前から「コウノトリを育む農法」を開発し、無農薬による田んぼ作りに参加する農家も徐々に増えてきているという。年配の方から若い農家も挑戦している。最近無農薬に切り替えた農家の方が何故取り組むことにしたのかの質問に「自分たちが小さい頃、川に入って魚を採ったり田んぼで遊んだ思い出が頭の中にある。それを今の子供達にもさせてやりたい。」とこわもてのヒゲ面のおじさんがうれしそうに語っていた。

 うちの実家では、田んぼには蛍がいるし、白サギ(詐欺)もいる。タニシ、ゲンゴロウ、ヤモリなどまだまだ存在する。低農薬ではあるが農薬・化学肥料は使う。それにも負けない彼らがそこにいる。なんだかほめてやりたい気がしてきた。薬にも負けずよくがんばったね!

 戦後、経済を優先した結果、ひとつの種が絶滅した。
 環境を守るには人間が絶滅するのが一番早いらしい。なんとも恐ろしい話だが、万物の霊長として我々は何が出来るのだろうか?

 今年、無農薬の田んぼを一つだけ試しているが、結構育っている。
 過保護より強いのかもしれない。こちらもほめてやろう!虫や雑草にも負けずよくがんばったね!

 
コウノトリ再び空へ

コウノトリ再び空へ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 神戸新聞総合出版センター
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本


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コメント 2

オオタ

 ことのほか汚い河川に美しい魚がいるのをめにすることがあります。耐性ができているのか否かはさだかではありませんが、環境にあわせ必死に生きよとする動植物に胸をうたれるときがあります。先日大きな青サギをまじかでみて感動しました。
by オオタ (2006-09-10 04:56) 

はるかぜ

その感動を大切にしたいものですね。飼育のコウノトリが自然のエサを採るようになったのは野生の飛来してきたコウノトリの影響のようです。野生のコウノトリのエサを自分で採るのを見て自分でも人間のエサに頼らなくなったそうです。私たちも野生(野性)の感覚は持ち続けたいものです。
by はるかぜ (2006-09-10 20:57) 

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