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映画「怪物」 [映画]

映画「怪物」を観た。カンヌ国際映画祭にて、【脚本賞】【クィア・パルム賞】を受賞。この「クィア」の意味は:性的マイノリティや、既存の性のカテゴリに当てはまらない人々の総称である。 性自認(自分で認識している自分の性)や、性的指向(好きになる性)が、その人のいる時代や文化のなかでマイノリティとされるときに使われることが多い。この【クィア】部門賞を取った事実を知って、映画を観たら全く違う感想を持ったことだろう。


この映画を観た直後、友達に「全然面白くなかった。」という感想を送ってしまったのを後で後悔した。youtubeで「ネタバレ」前提で1時間解説される動画を観て、初めて映画の良さが理解出来た。もしも2回目を観たら、全然違う感想を持つことだろう。さすが坂元裕二氏脚本、さすが是枝裕和監督、さすが坂本龍一音楽。

坂元裕二氏は「それでも、生きてゆく」では犯罪加害者の家族が事件後どのような人生をたどるのかを描き、「Woman」ではシングルマザーの過酷な生活環境を描き、「最高の離婚」では何故人は結婚したのかを問う。それが、今回は小学生の男の子の初恋・・・。


予告編では「怪物だ~れだ?」という言葉が響くが、観る側は常に「怪物探し」に参加させられる。

全員が「怪物」であり、自分(観る私)であり、「怪物」はどこにもいないのかもしれない。

良くメディア操作の比喩で使われる以下の絵を思い出した。被害者は加害者のように扱われ、加害者は被害者のように扱う事も簡単に出来る。なかなか深い、深すぎて解説者の意見も様々。なので俯瞰してもう一度、自分の視点で観てみたい映画となった。恐らく2回目観た感想は1回目と全く違う感想になる事だろう。日本映画ってやっぱり面白い!だからフランスでも評価されたんだなぁ・・・。

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