SSブログ

人ひとり違えば異なる意見 [社会]

ホンマでっかTVで有名になった武田教授の意見に激しく同意。夫婦は所詮赤の他人。親子でも兄弟でも血の繋がりがある状態でも意見が違うのだから70億人居たら70億通りの考えがある。それが生きている意味でもある。以下先生の記事より・・・


http://takedanet.com/archives/1014744742.html

先回「争う夫婦」という記事を書いた。本来なら結婚するということは子供ができ、その子供のために一所懸命、夫婦が相協力して、かつてなら母親が子どもを18歳まで育て、父親が18歳から後の生活の基盤を準備した。夫も妻もただそれだけに熱中したので家庭は円満であり、貧乏でも家族は助け合った。

ところが、戦争がなくなり見かけ上、男がぼんやりしているので、妻は自分が18歳まで育てる責任をできるだけ夫に押し付けようとし(イクメン)、夫はそれに対抗してできるだけ少ない生活費を妻に渡して遊ぼうとしている。

だから夫婦の間は不信感に満ち、子供は年金は崩壊、消費税は20%、就職先はない、中国の侵略に怯えるという社会に出ていかなければならない。でも、現代の夫婦にもう一つ問題がある。それが「正しい夫婦」である。

夫婦が喧嘩するには理由がある。夫と妻は男性と女性で、それぞれ生まれも育ちも経験も考え方も積極性も、なにもかも違う。人の意見というのは「何もないところ」から出るのではなく、「自分の経験、性格」などで決まる。だから、夫婦の意見が一致することはありえない。

夫婦は最初から意見が違うのだから、意見を言い合えば喧嘩になるに決まっている。相手の性質が悪いとか、俺と合わないということではなく、最初から「夫婦になる」というのは「意見が異なる人と一緒に住む」ということを意味している。

人間は実に奇妙な生物で、頭で考えたことを言うことができるのに、自分の頭で考えたことは自分が正しいと思うことであって、万人が正しいと思うことではないというきわめて単純なことを理解しないという欠陥を持っている。

学生同士が喧嘩しているのを聞くと、とても面白い。ある学生が血相を変えて「お前が間違っている!」と怒鳴っている。相手の学生も「お前こそ、そんなことあるもんかっ!!」と息巻いている。二人共、真剣で本当に「自分が正しい」と思っている。そこで、一方の学生に「正しいと言っているけれど、正しいという根拠はなに?」と聞くと、「僕が正しいと思っていますっ!」と答える。さらに「君が正しいと思っているから正しいということはないよね。正しいということを証明できる?」というと考え込んでしまう。

生まれてこの方、私がそう言うまで、その学生は「自分が正しいと考えたことは正しい」と錯覚していたのだ。「もし、君が正しいと思うことが正しく、他人もまた正しいと思うことは正しければ、人口の数だけ正しさがあるじゃないか。君じゃ、修行が足りないからお釈迦様に聞いてきたら。それなら正しいかも知れない。」というと、

「お釈迦様はすでに亡くなってしまったから聞けない」という。「それじゃ、正しいことはわからないね」というと学生は黙ってしまう。

自分が正しいと思うことが本当に正しければ、この世に裁判官もいらない。一人が死刑と思えば、全員が死刑と思うだろうからだ。でも、そうではない。日常的にあらゆることの意見が違う。だから「自分が正しいと思ったことは自分だけが正しいと思っているだけで、おそらくは間違っている=自分以外の他人は違う考えを持っているから数ではかなわない」ということになる。

つまり、夫婦喧嘩の原因は、「自分が正しいと考えていることが正しく、相手と意見が違う時には相手が間違っていると錯覚する」という人間の頭脳の欠陥がそのまま現れた現象である。

そんな簡単なことすらわからないで、その人の意見が正しいはずもない。特に夫婦では性質、役割、日々の生活、経験などすべて違うのだから、「意見が違う方が正常」であり、それを承知で結婚する。それも忘れるのだから、もちろん、夫婦喧嘩をする人の意見は間違っているのだ。

(平成26年11月26日)



nice!(1) 
共通テーマ:日記・雑感